火葬式・直葬とは?メリット・デメリット、流れを解説!注意点も




火葬式・直葬とはどんなお葬式?

お通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う火葬式・直葬は、一般的なご葬儀とは全く異なる葬儀のスタイル

それだけに、正しくメリットとデメリットを知らないまま火葬式を選んだ方からは、後悔の声もたくさん聞かれます。
火葬式・直葬を検討している方は、デメリットや注意点も知っておきましょう。

火葬式・直葬とは

火葬式とは、火葬のみを行うお見送りのこと。
名称は違いますが、直葬も、お通夜や告別式を行わずに火葬だけを行うお見送りを指します。

なお、直葬の読み方は「ちょくそう」です。

 

火葬式・直葬でお経はあげられる?

お通夜や告別式といった宗教儀礼を行わない火葬式・直葬。僧侶を呼んで読経してもらうということも、火葬式や直葬ではほとんど行われません。

葬儀社が用意している火葬式・直葬プランを見てみても、お経の時間が用意されていないことが一般的。

そのため、お通夜や告別式は行わなくても、火葬の前にお経だけはあげたいという方は、あらかじめ葬儀社に相談が必要です。
自宅や斎場で、読経ができるように時間を用意してもらいましょう。

お寺とのお付き合いがない(菩提寺がない)方は、葬儀社にお坊さんを紹介してもらうこともできます。

注意

火葬式・直葬はお通夜や告別式を行わないため、お寺のお考えに反しているとして賛成してもらえないことがあります。お寺とのお付き合いがある方は、菩提寺にあらかじめ相談しておきましょう。

火葬式・直葬の流れ

火葬式・直葬をする場合の、生前から当日までの一般的な流れをご紹介します。

 

生前の準備
葬儀社選び、火葬式・直葬を検討していることをご家族や菩提寺に相談しておく

 

ご逝去
ご臨終を迎えたら、あらかじめ決めておいた葬儀社へ連絡して搬送を依頼します

 

ご安置
ご自宅または専用の安置施設にてお体をご安置します。
亡くなってから24時間は火葬ができませんので、火葬のみであっても、必ずいずれかの場所でご安置は必要になります。
また、火葬場の空き状況によっては、数日間のご安置が必要になることもあります。

 

葬儀社との打ち合わせ
葬儀社の担当者とお見送りの打ち合わせを行います。
火葬場の予約も行います。

 

火葬場へ移動
火葬式・直葬ではお通夜や告別式を行わないため、ご安置場所から直接火葬場へ移動します。

 

火葬・拾骨・帰宅
火葬場へ到着したら、すぐに火葬炉へ運び込まれます。
ご家族は火葬が終わるのを待ち、ご遺骨を骨壷におさめて帰宅します。

 

注意

火葬場でご家族が一緒に過ごせる最後の時間はわずか10分ほど。

ひとたび火葬場に到着するとゆっくりお別れはできません。ご安置の間にしっかりとお別れをしておかなければなりません。

 

火葬式・直葬にかかる時間

火葬式・直葬の場合の一連の流れはご紹介の通り。

火葬にかかる時間はおよそ1時間ほど。その後の骨上げの時間を含めると、火葬場での滞在時間は2時間ほどの場合が多いでしょう。

2日間にわたり行う家族葬や一般葬、1日で行う一日葬と比べると、火葬式・直葬の所要時間は本当に短いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

火葬式・直葬のメリット

葬儀費用が安い

火葬のみを行うため、斎場やお通夜料理・告別式料理など、お通夜・告別式に関わる費用がかかりません。

葬儀費用の安さは、火葬式・直葬の唯一のメリットと言っても良いでしょう。

 

火葬式・直葬のデメリット

お別れの時間がとにかく短い

ご紹介した一連の流れや所要時間からもわかる通り、火葬式・直葬は、ご家族で過ごすお別れの時間が本当に短いのが特徴です。

火葬場へ到着してから火葬炉へ運び込まれるまでの時間はわずか10分ほど。想像以上にあっという間にお骨となったお姿を見て、後悔されるご家族も少なくありません。

必要最低限の葬儀を希望される場合でも、火葬式・直葬を安易に選ばないようにしたいものです。

ご家族や菩提寺に賛成してもらえない可能性

お通夜や告別式、そして読経さえも行わない火葬式・直葬を選んだ場合、いわゆる「ちゃんとした葬儀」とは見なされないことがあります。
ご親族から反対を受けたり、必要な供養の手順を踏まなかったことでお墓に入るのを断られるケースもあります。
火葬式・直葬を検討している方は、生前のうちにご家族やお寺と相談したり、入るお墓についても考えておきましょう。

葬儀後に弔問客の対応が必要

火葬式・直葬には、ごく身近なご家族やご友人のみが立ち会います。
そのため、故人と縁のあった方々が訃報を聞き、後日ご自宅へ弔問に来られる場合があります。
ご家族はその度に対応することになり、負担が大きくなることも。

ポイント
旅立つご本人がまだお若い場合や、お付き合いの幅が広い場合は、火葬式・直葬はおすすめしません。
参列者を限定しない一般葬などを選んだほうが、葬儀後のご家族の負担は少ないでしょう。

火葬式・直葬はこんな方におすすめ

火葬式・直葬は、「とにかく安くお見送りをしたい」という方であれば検討してみると良いでしょう。

火葬式や直葬は、短い時間で火葬のみを行うお見送りの仕方ですから、とにかく安さを一番に考えている方でなければおすすめしません。

ちゃんと供養してあげたい、お花を入れてあげたい、家族で見送ってあげたい・・

そう考えている方が火葬式や直葬を選ぶと、後悔する可能性はかなり高くなってしまいます。他のお葬式スタイルも合わせて検討しましょう。

 

火葬式・直葬のメリット・デメリットまとめ

お通夜や告別式を行わない火葬式・直葬のメリット・デメリットをご紹介しました。

以前よりも耳にすることも多くなってきた火葬式や直葬という言葉。でも、一般的なお葬式とは全く異なるお見送りだとおわかりいただけたでしょうか。

もちろん、火葬式・直葬を選び、良い選択だったというご家族もいらっしゃいますが、デメリットもよく理解しておくことが大切。

もし、「お金に余裕はないけれど、できる限りのお見送りはしてあげたい」とお考えの方は、必ずしも火葬式や直葬を選ばなくても、家族葬で費用を節約するという方法もありますよ。

どんなご葬儀にしようか迷ったら、まずは葬儀社へ相談してみましょう。